RAVEN'S FLIGHT

投資と書評がメインのblogです。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

[読書記録] マネーの進化史

マネーの進化史マネーの進化史
(2009/12)
ニーアル ファーガソン

商品詳細を見る

世界史に残るような大変動が起こった場合、その底流には必ず金融面における秘密が隠されている。


本書は、この例として、
 ・ルネサンス期のイタリアにおける、メディチ家などの金融業者の台頭
 ・オランダ共和国では世界初の株式市場を確立し、ハプスブルク王朝より優位に立った
 ・フランスの王朝の財政に大きく影響したフランス株式市場のバブルと崩壊
 ・ワーテルローの戦いを財政面で支援したロスチャイルド家
 ・ハイパーインフレにより経済が崩壊したアルゼンチン
などを取り上げ、金融における各種の制度(銀行、国債、株式市場、保険、不動産)が、
どのようにして生まれ、どのような影響を歴史に及ぼしたかをたどっています。


国債は、軍事費を調達するための手段として生まれたものですが、発行元が国家で
あるだけに、国債の市場は非常に重要な位置にあります。

債券市場が強大な力を持っているのは、これがすべての市場の基礎だからだ。預金の金利、(標準債券の)利率などは、株式や住宅などすべての資産の価格を決定する。


投資家なら、たとえ株式や商品がメインの投資先であったとしても、金利を決定する
債券と債券市場について勉強が必要というわけですね。

また、インフレは通貨の現象であり、「経済的に困窮した国家が紙幣を増刷して
窮地を脱しようとすれば、ときに制御できないほどのインフレを引き起こす」
ことには注意したいと思います。
財政支出による景気刺激策は、インフレの危険と隣り合わせである為です。

リスク管理の手段として生まれた保険については、民間の事業会社では大災害や戦争に
対して保証ができず、規模の経済の面から国が負担することになり、それが社会福祉
に繋がっていった、という流れにはなるほどと思わされました。
また、世界で初めて手厚い福祉を保証した国家はドイツで、ビスマルクが
「保守的な愛国心を生み出し、支配権を握る」為に始めたものであることには
注意したいと思います。
社会福祉はその起こりからして、票を集めるための手段という負の側面も併せ持って
いる為です。聞こえのいい政治家の言葉には要注意、というわけです。

なお、第一次世界大戦が起こる1914年までの世界では、今と同じようにグローバル化が
進んでいて、当時、大国同士の経済的利害の面から戦争が起こることはない、という
主張すらみられるほどだったということです。
にも関わらず、その後の不況により貿易規制が行なわれ対立が生じた結果、二度の
世界大戦が行なわれた、という点は注目したいと思います。
現在の、いうなれば第2次グローバリゼーションの世界状況に近いものがある為です。

歴史からは、大切な教訓を得ることができる。
一つは、経済のグローバリゼーションが高度に進み、英語圏の帝国の覇権がかなり安定に見えたときでさえ、大規模な戦争が起こり得た、という点だ。
二つ目は、大規模な衝突がない世界が長続きすると、衝突のシナリオは想像しにくくなる(そのため衝突はおこりやすくなるのかもしれない)。
最後の第三点は、自己満足に浸った投資家たちが危機に襲われると、百戦錬磨の投資家が主役であるときよりも市場は激しく崩壊する。


最後の章では、金融システムの進化を、生物学におけるダーウィンの進化論に
なぞらえて類似点と相違点を比較し、

金融という種の起源を完全に理解しなければ、マネーにまつわる根本的な真実は決して理解できない。
金融市場は人間を映す鏡であり、私たちが自分自身や自分たちを取り巻く資源の価値をどのように評価しているかをつねに示している。


と結んでいます。

バブルの発生とその崩壊の繰り返しをはじめとして、金融の歴史は波乱に満ちたもので、
(実際に約10年に1回は金融危機が発生していることもあり)、その歴史を学ぶことは
非常に有意義だと思います。
スポンサーサイト

| 投資、金融 | 14:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://freelikewind.blog72.fc2.com/tb.php/95-79b1eb93

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。