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[読書記録] 希望を捨てる勇気

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学
(2009/10/09)
池田 信夫

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経済学者の池田信夫氏が、長期停滞を続ける日本経済に対しblogで主張してきた内容を
一冊にまとめたのが本書です。
挑発的な本書のタイトルですが、その意味するところはこちら。

今われわれが直面しているのは、成長から停滞、そして衰退へという、どんな国も
たどったサイクルの最後の局面だ。
明日は今日よりよくなるという希望を捨てる勇気をもち、足るを知れば、長期停滞も
意外に住みよいかもしれない。



■雇用問題について

正社員の雇用規制を緩和し、労働移動を促進することは、老朽化した日本的経営を改め、
情報革命に対応した産業構造に転換するという日本経済の最大の課題でもある。


正社員と非正規雇用者の間では、雇用保障や福祉の面で圧倒的な差があり、その上
社会に流動性がないために、個人の力では状況を変えられる望みはごくわずかである、
という現状の分析です。

■政治や司法の温情主義の誤り

事後的には正しいように見える判決や規制が、事前にわかっているとインセンティブ
をゆがめ、非効率的な結果をもたらすことを事後の正義と呼ぶ。
主観的な善意と結果の正義は必ずしも一致しない。地獄への道は、しばしば善意
によって舗装されているのだ。


経済問題のやっかいな点として、一見、善意と人間味に溢れる温情主義的な行動が、
全く逆効果となる場合があるということが挙げられます。(例:法廷最低賃金)
その為、政治や司法の温情主義的な誤りを正すには、我々一人一人が経済について
正しい知識を学ぶ必要があるのです。


■GDP成長の停滞に関して

日本経済の最大の病は、需要不足でもクレジットクランチでもなく、投資機会の
不足である。このため慢性的に資金が供給過剰になって自然利子率が負になり、
デフレになる。


GDPの自然成長率が低下していることが経済停滞の原因であり、デフレはその結果に
過ぎないというのが著者の見解です。
そして、現状から脱出するには、リスクテイカーを増やしてリスクの配分を効率化する
必要がある、と主張しています。
ファイナンス理論では高いリターンを得るには高いリスクをとらなければならない、
というのは常識です。だからこそ適切なリスクを取り、成長を促すための仕組みが
必要なのです。

■最後に

日本のように経済的に成熟した大国が急速な成長を続けることは不可能だし、それは
望ましいとも限らない。多くの調査によれば、一人当たりGDPと「幸福度」の相関は
低く、日本は所得は高いのに幸福度は世界で90位前後だ。
単なる富の増大よりも、むしろ安定した生活や公平な社会を望む人が多い。
所得の量を増やすことより、生活の質を高めることを考える時期だろう。


確かに現在の日本は、年間自殺者数の多さといった指標から見えるとおり
閉塞感にとらわれた幸福度の低い社会と思えます。
この状況を変えるには、まずは現状を正しく認識する必要があり、本書はその為に
助けとなる一冊だと言えます。
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| 経済、社会 | 17:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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