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[読書記録] 歴史の方程式/マーク・ブキャナン

歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか
(2003/11)
マーク ブキャナン

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なぜ歴史は劇的で予測不可能な大激変で区切られるのか、
またなぜ周期の連鎖や傾向を見出だそうとした試みは失敗に終わってきたのか。
本書では、このような疑問について、理論物理学を基礎とする概念である非平衡物理学を
元に考察を行っています。


非平衡物理学では、歴史が意味を持ち、今起きていることが未来全体に影響を与え続けます。
この現象は「凍結した偶然」と表現されています。
(例:砂山に砂粒を落とす、氷の結晶の成長)

また、自然界で、臨界状態で発生する多くの出来事、例えば地震や森林火災などの発生頻度と
その大きさはべき乗則に従い、発生の分布はスケール不変的になります。
これは大規模な出来事は小規模な出来事を単に拡大したものにすぎず、それらは同じ原因で
発生することを示しています。
(べき乗則:縦軸の値が横軸の値の何乗かに比例した曲線を描く
  例:地震の発生頻度は地震のエネルギーの2乗に反比例する)

これは、システムの組織構造が、小さな衝撃がシステム全体に広がりうるようになっている為
であり、次の変化が何を引き起こすのかは極めて予測不能であることを意味します。
大地震の発生間隔には典型的な時間があるはずだ、という一般的な認識は誤りなのです。

そしてこの臨界状態の法則は、人間社会や歴史さえにも有効で、個人の自由意思は、
何千万という人々の行動のなかにある明確な数学的パターンの発生を妨げないのです。

歴史上の出来事の重要性は個人の偉大さに由来するものではなく、ある個人が大きな影響を
及ぼす可能性は、何よりも社会システムの特有な組織構造に左右されるということになります。

結論として、長い間平穏が続いた後、散発的に突然大変動が起こるということが、
世界の普遍的性質ということになります。
この結論は、ナシム・タレブの「ブラック・スワン」を思い起こさせます。
また、マンデルブロの研究などの話も取り上げられており、効率的市場に変わる新しい経済理論も
本書のような複雑系の研究分野から将来生まれてくるかもしれません。


また余談ですが、本書のべき乗則がもしITシステムの構築プロジェクトでも
適用可能なものだとすると、
「プロジェクトのスケジュール遅延の発生頻度は遅延の大きさのn乗に反比例し、
何が引き金となるか、また、一端発生した遅延がどこまで広がるかは全く予想がつかない」
ということになるわけです。
まったく、恐ろしい話です。
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| 自然科学、技術 | 17:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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