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[読書記録] 競争戦略の謎を解く


競争戦略の謎を解く競争戦略の謎を解く
(2012/07/27)
ブルース・グリーンウォルド、ジャッド・カーン 他

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本書はコロンビア大学MBAプログラムの講義を元にして書かれた経営戦略の解説書です。

前半では理論編として競争戦略の原理・原則の解説を、
①市場に競争優位は存在するか
②競争優位が存在するならば、それはどのようなものか
という2つの観点から開始して行っていきます。

後半ではケース・スタディ編として、理論編の内容を元に実際のケースの分析が行われています。
取り上げるケースはやや古めですが、見方を変えれば、分析が十分にされて評価の定まっているケースでもあり、原理原則の理解を深める上ではこの方が効果的だと言えます。


■競争優位=参入障壁

『競争領域における参入障壁の有無ほど、企業の成功に大きな影響を与える要因はない。』

市場の競争環境の分析といえばポーターの「5つの力分析」ですが、グリーンウォルドはその中で最も重要なのは「市場の参入障壁」(=ポーターの「新規参入の脅威」)であり、それこそが競争優位そのものだとしています。
これは参入障壁は既存の競合企業の事業規模拡大に対する障壁でもあるからということです。

「5つの力分析」は考慮すべき点が多いのが難点ですが、それに対しシンプルに絞り込んだ観点が本書の良さです。
参入障壁が無ければ新規参入によって競争が激化し、最終的に利益率が資本コストの水準まで低下していくことが知られています。参入障壁を重視することは納得です。

■「ローカル」な環境

『競争優位はほとんどの場合、「ローカル」な環境に根づいている。』

これは地理的、あるいは製品種別におけるローカルにこそ競争優位が存在するということです。自社の優位性がどの範囲まで発揮されるのかをよく把握しておかないとならないわけです。

成長・拡大を指向するあまり、闇雲に製品ラインナップを広げたり、買収や合併をしたり、海外市場へ進出するのは有益ではないということです。

これらは「規模の経済」を持ち出して正当化されることがありますが、「規模の経済」は単純に規模が拡大すれば得られるわけでは無いので、「選択と集中」の原則が優先されるべきだと言えます。

■業務効率性の重要性

『参入障壁が存在しない市場では、企業の存続は業務活動の効率性にかかっている』

実際には参入障壁が存在しない市場も多くあり、そこでは業務活動の効率性が競争の決定要因だということです。
企業ごとの業務効率性の差は大きく、同じ業界内のトップ企業のコストが業界平均の1/3になるというケースも紹介されていました。

戦略の本で業務効率性の重要性が指摘されているのは若干意外に思えましたが、ここまで差が出るのなら、戦略と同等の重要性があるということにも納得です。

そして理論編の後半では、ゲーム理論をベースにした価格競争や新規参入・阻止における企業行動の分析がされています。

本書では、市場のタイプに応じてどんな戦略を取るべきかという戦略決定の流れが1つのチャートにまとめられ、ひと目で分かるようになっています。
理論が構造化されていること、分析の観点がシンプルに絞り込まれていることから、分かりやすく実際に使いやすいのが本書の良さです。
また、全体の半分がケース・スタディに割かれているので、具体例を基に理論を理解でき、その点で「マイケル・ポーターの競争戦略」(参考記事)よりも分かりやすいと感じました。
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| 経営、ビジネス | 22:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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