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[読書記録] ファスト&スロー(2)


ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?
(2012/11/22)
ダニエル・カーネマン

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[読書記録] ファスト&スロー(1)からの続きです。


■「合理的経済人モデル」と「実際の人間」
行動経済学は、1970年代頃までの主流であった合理的経済人モデルに反証を提示し、実際の人間の行動を説明する枠組みを提示しました。
従来型のモデルに行動経済学の成果をプラスすることで、個人の経済活動から政府の公共政策まで、より効果的な行動や政策(リバタリアン・パターナリズム)ができるようになったのは大きな貢献だと言えます。
「合理的経済人モデル」と行動経済学のいう「実際の人間」は、それぞれ前者が規範的な主張、後者が実証的な主張であり、相互補完的関係にあると言えます。
これは限定合理性を支持するもので、実際の人間は非合理的だと言ってしまうのは行き過ぎと言えます。

■合理性と満足の相反
ここで厄介なのが、合理性の追求が必ずしも満足度を高めるとは限らない、時には満足と合理性が相反することです。

これは合理的経済人モデルと実際の人間の違いを示す部分ですが、だからといって合理性の追求を一概に否定するのは間違いです。
特に、大きな買い物や投資に関する意思決定において、人間の直感や感情は大きな間違いにつながることが、動経済学の研究成果から明らかです。

本書の中で「トレーダーのように考える」という表現がありましたが、こういった場合、合理性の追求を徹底し、セオリーに従った意思決定をすべきです。

特に問題となるのが、リスクのトレードオフのタブー視(=ゼロリスクを求める傾向)です。
例えば、公的年金基金が株式投資を行うことに対し、我々の年金でギャンブルをするな、と言う批判があります。これが大間違いなのは多少なりとも知識のある人には明白です。

上記のように、ゼロリスクの追求は、短期的には当事者に安心と言う満足を与えるかもしれませんが、長期的には高い代償を伴うことになります。
従って、こういった場合には専門知識に基づいた、客観的、合理的な費用便益分析に基づく意思決定をすべきです。

■幸福感と二つの自己
本書の最後では幸福感について取り上げています。
最近の経済学では幸福を扱うようになっていますが、経済面に限らず幸福に生きるために、幸福感が何によって決まるのかというのはある意味最も知りたい部分ですね。

実際に現実を生きている「経験する自己」と、記録をとり選択する「記憶する自己」は別のため、幸福感を高めるにはこの両者のバランスを考える必要があるようです。
これは今を重視するのか、それとも将来のことを重視すべきか、という判断(もっといえば時間割引率)にも関わってくる部分だと思います。
この他にも色々とヒントになるものが目につきました。

以上のように、より良き意思決定を行うために行動経済学は大きく役立つと言えます。
特に本書は、行動経済学についてある程度知っている人が、きちんと体系立てて理解するのにちょうど良い本だと感じました。
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| 経済、社会 | 22:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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