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[読書記録] ファスト&スロー(1)


ファスト&スロー (上)ファスト&スロー (上)
(2012/12/28)
ダニエル カーネマン、村井 章子 他

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行動経済学について、この分野の第一人者のダニエル・カーネマンが一般向けに書いた本です。本書は分野の全体を網羅し、ある程度専門的な部分まで踏み込みながらも分かりやすく書いてあります。
また、教科書的な理論や実験結果の説明だけではなく、実際に行動経済学の発見をどう利用や応用するかという点についても考察されいて、実用面も十分な本となっています。


■カーネマンの理論の3つの枠組み
カーネマンによる研究は大きく3つの枠組みを持ちます。

(1)二つのキャラクター
 人間の思考体系を、早く直感的な「システム1」と熟慮や判断、システム1のコントロールを行う「システム2」の二つに分類しています。

(2)二つの人種
 経済学などで仮定されている「合理的経済主体モデル(エコン)」と「実際の人間(ヒューマン)」をさします。両者の違いはそのまま、理論と現実の違いをもたらすことになります。

(3)二つの自己
 実際にできごとを体験している「経験する自己」と、それを思い出として後で回想する「記憶する自己」は異なるということです。

■意思決定におけるバイアスやヒューリスティックへの対処
システム1による直感は、高速で効率的な情報処理を行うことを優先した仕組みとなっていて、通常はとても巧く機能しています。しかし、様々なバイアスやヒューリスティックという問題も(いわばシステム1の仕様に伴う不具合のように)持っています。
そのため、行動経済学について知らないと、大きなロスを生む危険性を放置していることになります。

この各種のバイアスやヒューリスティックは系統的に発生するものです。であれば、その性質を知っていれば、慎重に考えることで影響を回避、軽減することはできるはずです。
しかし一方で、システム2による判断、思考やセルフコントロールはエネルギーを多く必要とすることを忘れてはなりません。これは有限なリソースとして考えるべきものです。

さらにこのバイアスやヒューリスティックは非常に強力で、例えば確率統計の専門家でさえ、時には母集団の大きさを無視してしまうというエピソードさえある程です。

加えて、プライミング効果やアンカリング効果など、思いもよらないものからも誘発されるため、影響を受けていることを自覚するのは困難です。
自分は分かっている、注意するから大丈夫だ、という考え方自体が自信過剰バイアスだと思っておくくらいの方が良さそうです。

そしてもう一つ。大半の人は、人間の行動についての統計的事実を知ったとしても、それが自分にも当てはまることだとは考えない傾向があるようです。(※ニスペットとボージダの「人助け実験」のエピソード)

こうしたことを考えると、意思決定においてシステマティックな方法を活用することが有効な戦略だと言えます。
本書で予測に関し、専門家の判断に対し統計を用いたアルゴリズムが優位性を持つことが指摘されていることからも、それは正しい方向のはず。
球団経営に統計を持ち込んだビリー・ビーンの話(参考記事)は参考になりそうです。
そして、システム2が有限なリソースである以上、意思決定における「選択と集中」、つまりは何を判断するべきなのかを決めておくことも重要です。
([読書記録] ファスト&スロー(2)へ続く)
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| 経済、社会 | 22:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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