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[読書記録] 大転換


[新訳]大転換[新訳]大転換
(2009/06/19)
カール・ポラニー

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第二次世界大戦中に発表された本書は「19世紀以降の市場経済のもつ社会的な意味を明らかにする」ことをテーマにしています。

19世紀を通じた経済繁栄が終わり、第一次世界大戦、大恐慌といった時代の転換点となる出来事が起きた当時の時代背景を反映してか、市場経済に対して批判的スタンスで書かれています。


自己調整市場という考えはまったくのユートピアであった。

そのような制度は、社会の人間的・自然的な実体を無にしてしまうことなしには、一時たりとも存在しえないであろう。

これを著者は、市場経済が持つ作用に対して社会の側で自衛反応の結果だとし、さらに、市場経済は社会そのものを原子にひきくだく「悪魔のひき臼」であるとまで言っています。

著者は、自由市場経済では、財(&サービス)、労働、土地、貨幣について市場が存在する(市場に組み込まれる)必要があるが、労働や土地や貨幣は本来市場に組み込まれてはならないものだ、と考えているからです。

そして、著者が市場経済に取って代わるものとして社会主義を支持しています。

社会主義とは、自己調整市場を意識的に民主主義社会に従属させることによってこれを乗り越えようとする産業文明に本来内在する傾向のことである。

市場経済の消滅は、先例をみないほどの自由の時代の幕開けとなりうる。

確かに当時の時代背景からすればこのように考えてしまうのも仕方ない部分があるのかもしれません。
第一次世界大戦後、ロシアを初めとして社会主義運動が広まり、ナチス・ドイツが勢力を伸ばし、市場経済が機能を失ってしまったように見えたという状況では。

しかし、本書の共産主義・社会主義への賛同については、その後を知っている現在の人間からすると、全く受け入れられるものではありません。

実際、1910年代後半のロシアでは、レーニン主導のもとに大規模な弾圧、虐殺がすでに行われていたことも事実です。
その点は、本書と同時代に書かれたハイエクの「隷属への道」が、共産主義・社会主義・ファシズムの持つ非人道性を看破していた通りだったと言えます。

その一方で、本書の批判には鋭いものも多く、特に産業革命以前の)文化の社会が、「社会に市場経済が押しつけられるというその事実によって崩壊させられる」といった辺りは考えさせられるものです。

また、産業革命以降から第二次大戦前までの時代の変化を、当時の知識人がどう考えていたのか、という点が興味深いものでした。
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| 経済、社会 | 16:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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