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[読書記録] イノベーションとは何か


イノベーションとは何かイノベーションとは何か
(2011/09/29)
池田 信夫

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タイトルのとおり、「イノベーションとは何か」を様々な分野における知見をベースに考察し、同時に各種の企業の事例を紹介している一冊です。


本書の主張はこちら。

1.技術革新はイノベーションの必要条件ではない
2.イノベーションは新しいフレーミングである
3.どうすればイノベーションに成功するのかはわからないが、失敗には法則性がある
4.プラットフォーム競争で勝つのは安くてよい商品とは限らない
5.「ものづくり」にこだわる限り、イノベーションは生まれない
6.イノベーションにはオーナー企業が有利である
7.知的財産権の強化はイノベーションを阻害する
8.銀行の融資によってイノベーションは生まれない
9.政府がイノベーションを生み出すことはできないが、阻害する効果は大きい
10.過剰なコンセンサスを断ち切ることが重要だ


前半の、なかでもフレーミングとプラットフォーム競争を扱った1~3章が面白かった。
後半は今の日本の問題点を指摘する内容で、以前の著書の「希望を捨てる勇気」とも共通する問題意識が見えます。

■技術革新とイノベーション
上記の「1.技術革新はイノベーションの必要条件ではない」は、イノベーションの本質は技術ではなくビジネスモデルにある、ということです。
シュンペーターが「経済発展の理論」でイノベーションについて述べた中にも、技術そのものについてはほとんど論じていないわけです。

これは短い時間軸において個別企業の業績レベルでの視点では、技術に優れた企業が必ずしも儲かるとは限らず、その企業のビジネスモデルが業績に最も影響を与える、ということだといえます。

ただし、長期的には大規模な技術革新によって産業構造やパラダイムシフトのレベルの根本的な変化が起きるので、巨視的な視点ではむしろ技術は核心なのではないか、とも私は考えますが。
ブライアン・アーサーが「テクノロジーとイノベーション」で述べた、テクノロジーの「ドメイン」の変化の話からもそれは言えると思います。

■フレーミングの転換
面白かったのが、本書の「2.イノベーションは新しいフレーミングである」という定義です。
これは、今あるものを一般的な(常識的な)見方とは全く別の捉え方をする、ということ。
新しい組み合わせ(=新結合)がイノベーションなら、それを生む発想の転換に何が必要なのか。これを突き詰めると、人間の認知の仕組み(=フレーミング)の話になるわけです。

よく言われる、多様性がイノベーションの土壌になる、というのはここから言えることですね。
その一方でこれは、頭で分かっていても、いざ実行しようとするとなると難しいものの典型だとも言えますが。

■プラットフォーム競争
現代の企業にとってプラットフォームの競争に勝つことが重要な要素だということです。
この例は、アップルのiTunesなどがあり、「キュレーションの時代」でも取り上げられています。

ここでのポイントは、プラットフォーム競争は複数均衡における均衡選択の問題、言い換えればいかに多数派になるかの勝負だということ。
いったん優位性を築くことができれば、ネットワーク外部性の効果で、ユーザーが多いことがさらなるユーザーを呼ぶ、というポジティブ・フィードバックが働く為です。

そこで、プラットフォームのオープンさ(=ユーザーの集めやすさ)と、どこをクローズにして収益を上げるのか、という2つを決定するビジネスモデルが重要になる、というわけです。

本書の特徴として、様々な企業の事例を取り上げて解説されていて、ビジネスパーソン向けに書かれていることがあります。
理論に偏重することなく、実務向けにイノベーションについて書かれた一冊と言えます。
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| 経営、ビジネス | 21:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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