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[読書記録] テクノロジーとイノベーション


テクノロジーとイノベーション―― 進化/生成の理論テクノロジーとイノベーション―― 進化/生成の理論
(2011/09/23)
W・ブライアン・アーサー

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テクノロジーとは何か、そしてそれはどのように進化するのかをテーマにした一冊です。

まずは本書におけるテクノロジーの定義について。

①テクノロジーはすべて要素の組み合わせである
②要素それ自体がテクノロジーである
③テクノロジーはすべて何らかの目的において現象を利用している



これはPCを例とすると、
①PCはCPUやメモリ、HDDなどのパーツの組み合わせで、
②各パーツもテクノロジーの産物そのものであり、
③電子回路の動作やプリンタの印刷なども、すべて元を辿れば自然現象である
となるわけです。

■テクノロジーのドメイン
テクノロジーは、どのようにして、どのような条件で組み合わせられるのか。
本書ではこれを規定しているものをドメインと定義しています。

ドメインを変えることは、テクノロジーが進歩する主要な方法なのだ

ドメインは時代を規定しているだけでなく、その時代が影響を及ぼす範囲も規定している

ドメインは、蒸気機関や電力、情報技術といったテクノロジーの大きな枠組みにあたるものです。そしてイノベーションとは「ドメインを変更すること」でもあり、数十年をかけて変化していくものとしています。

そのためにこのドメインの概念は、その時代に何が可能なのかを規定し、同時に人間の生活レベルを大きく左右するものです。(例えば長距離の移動にかかる時間や、扱えるエネルギーの種類、量など)
さらには人間の世界観(パラダイム)ですら、テクノロジーと相互に影響を及ぼしあうものです。(参考記事:「ヨーロピアン・ドリーム」)
それだけにテクノロジーのドメインという要素を抜きにして、その時代について考えることはできないと言えます。

■発明
テクノロジーの進歩に欠かせない発明ですが、こちらも組み合わせであり、ゼロから生まれたものなどない、としています。
ここでもっとも注目すべきは、発明者は長い時間をかけ、対象の技術に熟練しているということ。外から見て意外な組み合わせも、発明者が、習熟した知識や技術を元に自然に行っていることから生まれているということです。

だからこそ、イノベーターはT型人間である(参考記事「イノベーションのDNA」)わけですね。
イノベーション=組み合わせ、というだけならば知識があるだけで良さそうですが、それに加えて、ひとつの分野で掘り下げた知見を持っていて、それを他分野のものと組み合わせて初めて発明になるということだからです。

■テクノロジーの進化

新たなテクノロジーが生み出されてくると、より広い利用と組み合わせのために新しい機会が出現してくる。

新たなテクノロジーが新たな組み合わせを可能にすることで、変化が変化を生むことになります。

さらに、テクノロジーは新たに問題を発生させることもありますが(例えば公害)、そのこともまた、解決するための新たなテクノロジーを生みだすきっかけになるのです。
このように、進歩とはテクノロジーが本質的な要素として持つものだと言えます。

また、テクノロジーの進化によって、経済も大きく変化することになるわけです。
名目GDPのような指標で停滞が続いていたとしても、実態としては変化が続いていることは明らかです。
まさしく、シュンペーターが「経済発展の理論」で新結合(イノベーション)が平衡状態のかく乱を起こす、と主張したとおりです。

以上のように、本書は、複雑系と経済学の研究者である著者が、複雑系や進化論の概念を取り入れながらテクノロジーについて掘り下げていく内容となっています。
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| 自然科学、技術 | 23:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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