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[読書記録] 経済発展の理論


経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上〉 (岩波文庫)経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上〉 (岩波文庫)
(1977/09/16)
J.A. シュムペーター

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「創造的破壊」で有名なシュンペーターの代表作。
タイトルのとおり、経済発展がどうやって起きるのかをテーマに考察しています。
全6章で、まずは経済発展の無い循環型の経済モデルを説明し、このモデルと実際の経済との違いから、経済発展をもたらすのが新結合(=イノベーション)であること、企業家が新結合を行い、資本家がそのための資本を提供することを説明しています。


■新結合とは
「現存の生産手段の用途を変更し、これをいっそう適切に、いっそう有利に使用」することだと説明しています。イノベーションとは組み合わせである、とはよく言われるのですが、(例えば「イノベーションのDNA」でもイノベーターの重要なスキルとしている)、これはシュンペーターの新結合の概念自体がそういうものだったようです。

この新結合を遂行する方法として、シュンペーターが挙げているのがこちら。

①新しい財貨の生産
②新しい生産方法の導入
③新しい販売先の開拓
④新しい仕入先の獲得
⑤新しい組織の実現
 (wikiより抜粋)

イノベーションというと最先端の研究成果による新発明や新発見、というイメージがありますが、それは一部に過ぎないというわけです。
むしろ既存のものから新しい組み合わせを見つけることがポイントで、だからこそ「新結合」と呼んでいるのかもしれません。
これは、例えばAppleの製品が必ずしも技術面で最先端の製品というわけではない、ということからも妥当なように思えます。

そしてこれは、実際に革新的な新技術が登場してから、新しい商品やサービスが生まれて経済に影響を与えるまでには、かなりの時間がかかることにも関係しているのではとも思います。

■企業者と資本家
そして、新結合には、実行する「企業者」と、企業者に必要となる信用(=資金)を供給する「資本家」の両者が必要だとしています。
現代でいうと、それぞれ起業家とベンチャーキャピタルといったところですね。

企業者には、新たなことを行う際に不確実性、人や社会の現状維持的傾向といった困難を乗り越える「指導者」能力が必要になるという指摘と、企業家の動機が地位や金銭ではなく創造そのものにあることは、今でも変わらない部分だと思う。
また、共産/社会主義社会においては、この企業家の動機の代わりとなるものを見つける必要がある、という考察からは当時の時代背景を感じます。

現代から見るとまさにその企業者がいないことが、共産/社会主義が失敗した原因だったと言えます。さらに言えば企業家の出てこない社会は行き詰る、ということも言えるのではと。

■景気変動について
シュンペーターは、景気変動(好況と不況)を、循環的なものではなく新結合によって生まれた成果が一般的なものとして広まる過程で必ず起きるプロセスだとしています。
確かにバブルとその崩壊はこれまで何度も繰り返されてきて、今後もそれは同じだろうと思えます。

そしてこれを資本主義において避けることのできないものと見ています。
このように資本主義経済を、長期的に均衡状態に落ち着くものではなく、常に新結合によって揺れ動くもの、というのがシュンペーターの見方の特徴ですね。
確かに、流動的でダイナミックであることは経済に活力がある状態でもあり、なるほど、と思います。

この新結合と経済発展の他に、本書では、例えば利子のように当然のものと見なされていることについて一から考察していて、経済学がどういう思考を積み重ねてできていったのか、といったことがうかがえる点も面白い部分でした。
なお、文章が難解で読むのに苦労したことも付け加えておきます。

経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈下〉 (岩波文庫)経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈下〉 (岩波文庫)
(1977/11/16)
J.A. シュムペーター

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| 経済、社会 | 20:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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