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[読書記録] もし小泉進次郎がフリードマンの「資本主義と自由」を読んだら


もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだらもし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら
(2011/11/25)
池田信夫 原作、 他

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財政危機が起きた日本において、「資本主義と自由」の政策を基に対処しようとする、というのが本書のストーリーです。
本書では、もし日本で財政危機が起きたとしたらどうなるのかが描かれ、同時に政治とマクロ経済における現在の日本の問題点が鋭く指摘されています。

※なお本書の原作者は池田信夫氏で、日本の問題点についての見解は「希望を捨てる勇気」([読書記録] 希望を捨てる勇気)に詳しく述べられています。


財政危機の発端となるのは、長期国債の札割れに伴う日銀の国債引き受けです。
これがマーケットでは日本の財政破綻と見なされ、金融破綻、財政破綻、インフレーションのトリレンマが発生することになります。

■トリレンマについて
(1)金融破綻
財政不安から長期金利が上昇(=日本国債のリスクプレミアムが増大)し、国債価格が下落。
これによって国債を大量に所持している国内金融機関は、大きな含み損(90年代の不良債権なみの規模)を抱え、金融危機が発生。
金融システムの崩壊がどれだけ大きな打撃を経済に与えるのかは、サブプライムローン問題が発生した当時のことを考えれば明らかです。

(2)インフレーション
金融機関を救済するために日銀が資金を供給すると、通貨供給量が増える(=買いオペと同じ結果になる)ので、物価が上昇し、インフレが加速することになります。
本書では、1年で物価が倍増する程の激しいインフレが発生し、値上がり前にモノを買おうとする行動によってパニックが自己実現的に拡大する様が描かれています。

ここから激しいインフレが経済行動におけるインセンティブを歪め、資源配分を誤らせるので市場経済を機能させなくなる、ということが良く分かります。
また、同時に人為的なインフレーション政策の間違いも指摘されています。

(3)財政破綻
この長期金利の上昇とインフレの原因は政府の財政破綻であり、解決策は増税と支出削減。
しかし不況での増税は景気をさらに悪化させるうえ、支出削減となると社会保障費や公的年金の削減が避けては通れないわけです。
これがどれだけ難しいのかは、ギリシャ危機のときに公務員のストライキや暴動までもが発生したことからも想像できると思います。

以上のトリレンマのなか、国内がパニック状態となり、国会も霞ヶ関も膠着状態のまま危機だけが進んでいくのですが、この描写が欧州危機を思い起こさせて、とてもリアルに感じました。

■解決策は「小さな政府」
ここで、まずは根本原因である財政問題を解決する必要がある、というのが本書の見解。
その為には政府支出を削減し、「小さな政府」のもとで市場の力による再建を目指す他に道は無いため、「資本主義と自由」の政策が取り上げられているわけです。
欧州危機でも年金や社会保障を含む政府支出の削減が行われているので、これは十分に説得力があると思います。

また、本書は日本経済のファンダメンタルズ自体には問題ないことから、財政破綻によってゼロからの出発になるという点に希望的観測を持っています。

実際、氷河期以降の世代からすれば、経済危機はシュンペーターの言う「創造的破壊」になるのでは、とも思えてきます。
もちろん安直にリセットを願うのは有害です。が、今の日本における世代間格差を考えれば「小さな政府」の方がフェアなのは間違いないことです。

いずれにせよ、欧州危機でも明らかなように、無理のある政府債務や社会制度をいつまでも問題を先送りにして誤魔化すことはできません。
ハードランディングするかどうかは別として、マクロ経済について深いところまで踏み込んだ本書から学べることは大きいと思います。
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| 経済、社会 | 16:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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