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[読書記録] ブラックストーン


ブラックストーンブラックストーン
(2011/12/09)
デビッド・キャリー ジョン・E・モリス

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LBO(レバレッジドバイアウト)を駆使して企業の買収を行うプライベート・エクイティ。本書では、業界の代表的な企業である、ブラックストーンに焦点を当てPE業界の趨勢を描いています。

PEは、映画「ウォール街」で描かれているような乗っ取り屋といった悪いイメージが強いのですが、実際にどのような役目を担っているのかという点に特に注目して読みました。


■企業買収がもたらしたもの
まずは1980年代中盤の敵対的なものも含めて買収が活発に行われた時期。
この時代に資本効率の悪い企業が淘汰されたことで、経済効率を大きく改善したことが示されています。

経営者も労働者も絶えず混乱にさらされ、不安定な立場に置かれる。だが新たな規律と効率追求の意識が生まれ、経済全体に大きな見返りをもたらした

これは資本市場が機能することによって、社会における資源配分が適正に行われるということです。この一つをとって見ても、買収者の存在自体に大きな意味があることが分かります。

そして、割安な企業が無くなることで裁定機会がなくなり、買収する側のビジネスモデルも変化することに。

もはやレバレッジの力に頼ったり、買収した企業を単に解体するだけでは利益は確保できなくなった。買収した会社の姿を大きく変えるのではなく、事業を本質的に改革することで企業価値を高めなければならない。



■PEによる経営改革
ここで、本書のブラックストーンによる経営改革の事例を見てみると、その本質の部分では基本に忠実な内容となっているのが興味を引きました。

例えば、資本の面ではLBOにより有利子負債を増やすことで、資本調達コストを引き下げ、財務レバレッジを効かせる。また、企業の戦略においては、不採算事業を撤退して事業における選択と集中を徹底する、といったことです。

またPEによる買収によって非公開企業となることで、四半期業績を気にせずに6~8年程のスパンでの経営改革を実施できることから、買収を望む経営者もいるとのことです。
財務諸表の数字では直接は見えないものですが、資金の量や調達コストだけでなく、出資者の質も大きな要素です。その面で、企業によってはPEは有望な資本の提供者になりうるということです。

以上より、乗っ取り屋というイメージは間違いであり、PEは資本主義の根幹を担う、必要な存在だと言うことができると思います。

■投資家としてのブラックストーン
PEの利益を大きく左右する要素としては、(1)経営の改善、(2)適切な投資タイミング、(3)レバレッジの活用などが上げられます。

長期的に株式市場を上回る運用成績をあげる唯一の方法は、保有する企業を抜本的に改善することである

とあり、確かに他との差別化を決定的にする要素であり、超過リターン(いわゆるアルファ)の源泉となるのも納得です。

また、投資する際に柔軟性が高いことも大きな特徴です。

好況期には投資先の負債を増やして配当に回すことで投資を回収したり、経営不振の会社の業務改革によって利益を捻出したりする一方、不況期には苦境に陥った会社の債務を売買したり、破産手続きを通じて経営権を握るなど、臨機応変な対応をしてきた。

言うなればリアルオプションを多数持っている、ということですね。

このようにPEは投資家としても参考になる部分が多いと言えます。
また、投資対象としては、PEはオルタナティブ資産クラスに該当していることもあり、PEの動向はチェックしておく価値がありそうです。

ただし今後については、上場したことや、多角化の進行(普通の有価証券やファンド・オブ・ファンズへの投資など)によって、これまでの尖った部分が失われてしまうのではないか、といった点が個人的には気になりました。
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| 投資、金融 | 23:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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