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[読書記録] 余震 そして中間層がいなくなる


余震(アフターショック) そして中間層がいなくなる余震(アフターショック) そして中間層がいなくなる
(2011/07/15)
ロバート・B・ライシュ

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リーマンショック以降のアメリカ経済において、所得格差の拡大(なかでも中間層の所得の減少)を最大の問題だとして取り上げているのが本書。

所得分配があまりにも偏ってしまった場合には、幅広い中間層が長期にわたって経済を再活性させるだけの購買力を持てるよう、経済全体を再編しなくてはならない

今のままでは、高失業率、低賃金、怒りを募らせる中間層という世界経済危機の余震(アフターショック)がアメリカを直撃すると主張しています。
ティーパーティーとウォール街デモは、まさにその象徴だと言えます。


■所得格差の拡大
ここで、実際に中間層の平均賃金のデータを見ると、

米国の労働者の平均賃金は、2008年秋のリーマンショックまでの30年間、インフレを考慮するとほぼ横ばいであり、2000年代にはむしろ低下している。

さらに富裕層の対国民所得比は上昇しているというデータもあり、アメリカの中間層は、ここ30年間の経済成長の恩恵を賃金面ではほとんど得られていない、ということに。

これはアメリカの話ですが、日本でもワーキングプアという言葉が2000年代後半に出てきたように、同じ傾向にあると言えます。こういったデータを見ると所得格差の拡大が不満を生むのも当然に思えてきます。

■雇用流出とオートメーション化
しかし賃金が伸び悩んだ原因は、海外への雇用流出やオートメーション化にもある、というのがこの問題を難しくしているところです。

ここでライシュは元労働長官という立場もあってか、この2つを問題視しているのですがその見解については反対したい。
生産の海外移転とオートメーション化は、企業が低コスト化を進めなければならない以上、必然だからです。

例えば家電製品によって家事や炊事が省力化されて余暇が生まれることを、雇用が部分的に失われたと嘆く人はいないと思います。
それは企業でも同じことです。リソースをより有意義な部分に振り分けることを可能にする、技術進歩のもたらすメリットが考慮から抜けていないか、と。
その意味で、ライシュは反市場バイアス、雇用創出バイアスにとらわれているとも言えます。

■ライシュの案
ライシュが「中間層のための新しいニューディール政策」として挙げる内容は、「負の所得税、富裕層の最高税率の引き上げ、再雇用制度、教育制度や公共財の拡充、政治とカネの決別」など妥当なものだと思いました。

特に公共財や教育などへの公共投資は、一部の相手(業界)に補助金をばら撒くようなデタラメかつ無駄な税金の使い方と違い、有益だと言えます。
公共投資は外部性が高いため、民間では行いづらい部分がある為で、政府が行う投資として妥当なものだと言えます。

ここでニューディール政策といいつつも、公共事業によるバラマキや雇用回復は含まれていないのが興味深いところ。
結局のところ、民間の活力とインセンティブを活用する(=自由市場経済が健全に機能する)ことができなければ経済はうまくいかないということです。

また政策だけで解決できるものではないので、中間層の労働者の側としてはいかに付加価値を出せるか、希少価値のある仕事ができるか、を考え続けていかないと賃金低下の流れに飲まれてしまうということでもあると思います。
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| 経済、社会 | 17:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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