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[読書記録] 10万年の世界経済史①


10万年の世界経済史 上10万年の世界経済史 上
(2009/04/23)
グレゴリー・クラーク

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産業革命以前(マルサスの罠の時代)と産業革命以降での経済面の変化を示すとともに、その変化がどのようにして起きたのかという世界経済史の謎に迫るのが本書です。

「マルサスの罠」の時代は、なぜかくも長く続いたのか。
その罠からの初めての脱出が、小さな島国の英国で、産業革命期の1800年ごろにはじまったのはなぜか。
その結果として、「大いなる分岐」が生じたのはなぜか。
本書はこの三つの謎すべてに答えを提示し、それぞれの関連性を明らかにする。



■産業革命以前(マルサスの罠の時代)
「マルサスの罠」とはマルサスの「人口論」(参考記事:[読書記録] 人口論)を基に「技術進歩を通じて実現した短期的な所得の増大が、人口の増大によって必ず相殺された」ことを指しています。

本書の第一部では各種の定量データ(平均余命や、身長、労働時間など)をもとに、この時代における生活水準は人類の誕生以来ほとんど変わらなかったこと、そして「豊かなものほど生き残る」という過酷な生存競争の行われた時代であったことが示されています。

そしてその一方で生存競争を通じ、経済的成功に必要な能力(識字率や基本的計算力)が向上し、忍耐力や勤勉さを尊ぶといった中産階級的な価値観が広まる、といったように人間の文化が徐々に変化し、その蓄積が産業革命につながったことが述べられています。

ここから、経済や社会においても進化論的な力がいかに大きな働きを持つか、そして競争こそが発展の源泉になるという意味でそれは今でも変わらないものだな、と。
(もちろん進化論の概念を人間社会にそのまま適用できるわけではないのですが)

■産業革命以降
この「マルサスの罠」の状況が一変し、「1800年以降に人口一人当たりの所得が、着実に、また一様に上昇」たのが産業革命以降です。

本書ではこの原因を技術革新に求めています。

技術革新による効率性の向上は、じつはあらゆる経済成長の真の要因であり、さらに物理的資本の増大要因でもある。

技術革新、つまりイノベーションの重要性は経済史からも裏づけられるということです。
これは直観的にも納得できることですが、本書では近代経済をモデル化することで証明しています。

また、産業革命によって最も利益を得たのが単純労働者で、所得格差の減少により社会の平等化が進んだということには驚かされました。
当時の労働者はずっと貧しく悲惨な境遇のままだった、というイメージがあったのですが、それは誤りだったようです。

ここまでの経済史を通じて、本書の冒頭で述べられた

物質的な富が人間の生活様式を決定するきわめて重要な、しかも唯一の要因である

という言葉の通りだったことが明らかにされたと言えます。

そして、少なくとも現代の先進国のような豊かさを得るまでは、経済成長が必要不可欠なものだと言えると思います。

([読書記録] 10万年の世界経済史②に続きます)
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| 経済、社会 | 23:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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