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[読書記録] 人口論


人口論 (光文社古典新訳文庫)人口論 (光文社古典新訳文庫)
(2011/07/12)
マルサス

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18世紀終盤(※初版発行は1798年)に書かれた古典経済学の代表的一冊です。
マルサスの時代では食糧の生産量が上昇しても人口増加によって相殺されていました。
そのことが経済と社会制度に大きな制約を与えていたことを解き明かし、当時の左派の主張に反論するという内容になっています。


人口は、何の抑制もなければ、等比級数的に増加する。生活物資は等差級数的にしか増加しない

その為、一人あたりの食糧(ひいては生活水準)を引き上げるには、人口を抑制するしかないということになります。(食糧の供給を増やすことに限りがあれば需要を抑えるしかないことになってしまうので)

人口増加の大きなパワーは、貧困や悪徳を生み出すことによってしか抑制できない

それらを生み出したと思われる物質的原因は永続的なものである

そして疫病、戦争、飢饉、死といったマルサスの言う悪徳でしか人口抑制ができないならば、それらの問題は解決できないものであるということをも意味してしまいます。

同時に、当時の社会福祉制度に対しての批判も。

貧しければ社会に依存するのが当然だとする積極的な制度によって、人間がもっともまっとうに生きるために備えておくべき恥の感情が弱まっていくのは、どう見ても大きな間違いだと思われる。

社会福祉制度に自分の力で生活するインセンティブを破壊しうるという問題があることについては現代社会でも同じです。

すべての人間が安楽に幸福に、そしてのどかに暮らすことができ、自分や家族の生存手段にかんする不安を少しも覚えないような社会、そういう社会がありうるとする考えに対して、これは決定的な反証になる

以上より、マルサスは左派の主張を真っ向から否定しています。

幸い、現代の先進国ではマルサスの時代と比較して、十分な食糧を確保したうえで生活水準も向上させることができていると言えます。つまり、マルサスの論をある程度までは克服していると言えます。

これは、現代では十分な食糧生産があり、経済が長期的には右肩上がりで成長しているために、マルサスの時代と違って供給面の制約が解消されている為と考えられます。
逆に豊かな社会を成立させるには、マルサスの時代のような限られたパイを奪い合わなければならない状況を解決する必要があり、それには経済成長が不可欠だとも言えます。

また、マルサスの主張は単に悲観的(あるいは非情)なものではありません。
特に最後の2章では、マルサスのキリスト教的な世界観に対する見解が述べられているのですが、そこではシビアな現実と向き合う彼の哲学が見られます。

この世に悪が存在するのは、絶望を生むためではなく、行動を生むためである。われわれはそれを耐え忍ぶのではなく、それをなくすために努力しなければならない。

上記を初めとしたマルサスの姿勢は、現代の先進国においても通じるものがあると感じました。
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| 経済、社会 | 23:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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