RAVEN'S FLIGHT

投資と書評がメインのblogです。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

[読書記録] 激動予測


激動予測: 「影のCIA」が明かす近未来パワーバランス激動予測: 「影のCIA」が明かす近未来パワーバランス
(2011/06/23)
ジョージ・フリードマン、George Friedman 他

商品詳細を見る

前著「100年予測」(参考記事:[読書記録] 100年予測)では21世紀全体についての予測でしたが、この本ではこれからの10年の世界情勢について、アメリカを中心として地政学的見地からの予測を行っています。

本書は、帝国と共和国、そして力の行使の関係が、次の10年間でどのように変化するかについて述べた本である。

アメリカが帝国になったのは、そうなろうと意図したからではなく、歴史の流れから、なるべくしてなった、というのがわたしの持論である。



興味深かったのが、著者の国力の評価です。
「底深い力(ディープ・パワー)」という概念で評価していて、
 ① 経済力、軍事力、政治力それぞれの総合力
 ② その力がどのように使われるべきかを定める規範
以上の2つの観点から成り立っています。

①については、自分の場合、国の力を考えるときに、ついつい経済力ばかりに目が向いてしまい、軍事力や政治力という視点が欠けてしまいがちだなということに気づかされました。
例えば、中国やインドについても、経済成長の目覚しさとその反面の経済格差、といったことにまず意識が行ってしまうわけです。これは直接的な戦争経験が長期間無い平和な国にいることによるバイアスかもしれませんね。

対して著者は、天然資源に乏しい日本にとっての安全保障の重要性を指摘し、

日本ほどの経済規模をもち、それでいて脆弱な国は、いつか必ず利益を自衛する方法を探さなくてはならなくなる。

という見解を述べています。
こういった点から、地政学的な視点というのは自分にとって新鮮で面白いと感じます。

②については、アメリカは圧倒的な軍事力と経済力を持つ意図せざる帝国であり、共和国としてのアメリカをいかに維持するかという問題意識がまず背景にあります。
そういった状況を踏まえ、アメリカ大統領は最も影響力のある政治家であり、現実主義と理想主義の双方が互いに補い合う、マキャベリ的な外交政策を実行する必要がある、というのが著者の見解です。

そして外交の方針として、各地域の勢力均衡を維持する、経済的利益や外交関係を通じて結束を保つ、そして武力による直接介入は最後の手段とする、といったことが挙げられています。

以上からアメリカと世界各地の関係をベースに今後の10年を予測しているのですが、特に興味が引かれたのはドイツとロシア、日本と中国の2つです。

前者については、工業国のドイツと資源国のロシアは互いに結びつきを強めるために、ドイツはEUから距離を置くようになり、そのために

EUが国際舞台の主要勢力になりうる、多国民国家に発展することはない。EU加盟国には、軍事力の共有を促すほどの共通の利益がない

とのこと。確かにナショナリズムが目立つ現状のEUを見ていると、その通りかもしれない、と思えてきます。

後者については、中国は豊かな沿岸部と貧しい内陸部という国内問題で弱体化し、日本は中国よりも強大な地域大国になる、という予想をしています。通説と全く逆の見解になっているのが面白いところです。

以上のように著者の独自の視点と、意外な内容があるにも関わらず十分に説得力を持っている見解が面白い一冊でした。
スポンサーサイト

| 経済、社会 | 16:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://freelikewind.blog72.fc2.com/tb.php/198-ead477ab

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。