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[読書記録] SYNC なぜ自然はシンクロしたがるのか


SYNCSYNC
(2005/03/29)
スティーヴン・ストロガッツ

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多種多様な同期現象の事例は、「自己組織化」や「カオスからの秩序の自発的出現」といった数学上の同一テーマのバリエーションにすぎない。ホタルをはじめとする自己組織系の単純なモデルを研究することで科学者は、宇宙に見られるこうした目もくらむような秩序の謎を解き明かしはじめている。

著者は非線形力学の研究者で、ダンカン・ワッツとともに「スモールワールド」理論を提唱した人物です。
本書では、ホタルの群れが同期して明滅するといった、自然のなかに見られる同期現象の話から始まり、人間の細胞の体内時間の同期やレーザー技術など、様々な同期現象が解説されています。


本書の後半から、カオスや複雑系、ネットワーク理論といった非線形科学分野について取り上げ、非線形力学を通じて自然界の中に潜む秩序を考察するしています。この部分は、個人的に関心の高い分野なこともあって、特に読み応えのある部分でした。

線型方程式が示すものは往々にして、より複雑な現実の近似にすぎないことが多い。大半の系は、平衡状態の付近にあって、外からあまり強く働きかけられない時にだけ線形的な振る舞いを見せる。

全体が部分の総和でなかったり、個々の様相が単純に足し合わず、物事に協調ないしは競合関係が成り立っているときには必ず、非線形性が潜んでいると言っていい。

有名なバタフライ効果のように、自然現象の多くは本来非線形の現象であり、社会現象や経済もまた非線形の現象です。
そして単純な因果関係(AならばB、のような)による線形思考のアプローチは、通常の想定域を外れてしまえば全く役に立たなくなるということです。

これは特に危機管理において非常に重要となる特徴で、自然災害や金融危機はまさに代表例です。それだけに非線形現象の予測不能性についての理解は重要だと考えています。

また面白いのは、カオスでも同期が行われるという事実で、これは暗号技術に応用が考えられているそうです。

社会学者はネットワーク理論の手法を拝借して、暴動や流行、さらには技術革新が拡散していくプロセスについてのシンプルなモデルを分析しつつある。

さらに、「六次の隔たり」、スモールワールドなどで有名なネットワーク理論についても取り上げられています。

インターネットもこのスモールワールドの構造を持つものです。
ランダムな配線を加えるだけでノード間の距離が劇的に縮小されるというスモールワールドの特徴は、SNSにおいても成り立っていると考えられ、twitterによる情報の拡散などはその例だと言えます。
自分と違う立場や意見の人をtwitterでフォローしてみることで意外な発見がある、という意見がありますが、これはスモールワールドの理論から支持されていると言えます。

同期現象を通じて非線形力学について知ることができ、「科学の未来を担うのは、非線形動力学」だと著者が主張しているのも納得の一冊でした。
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| 自然科学、技術 | 16:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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