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[読書記録] 史上最大のボロ儲け

史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか
(2010/12/09)
グレゴリー・ザッカーマン

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本書は、サブプライムローン問題が表面化する以前から住宅市場の高騰をバブルと判断し、住宅バブルの崩壊を予測して行動した投資家達を取材して書かれた一冊です。

その中でも最大の成功者がジョン・ポールソンです。
ジョン・ポールソンは、企業合併アービトラージを専門とするヘッジファンドの経営者で不動産については専門外でした。
しかし、住宅ローンを対象としたCDSや投資銀行を初めとした金融会社のCDSへの投資によって、最終的に100億ドルを超える収益を上げるという金融市場最大の取引を成功させました。


ポールソンの投資戦略とその成功要因を考えてみました。

(1)サブプライムローンの徹底的な調査と分析に基づいた投資判断
漠然とバブルが発生しているとみなすのではなく、ポールソンたちは、いつから、どの程度か、を具体的に突き止めようと調査し、そこで「金利が住宅価格にたいした影響を与えていない」という結論を出しています。
これは経済学者の見解と違い、驚くべき結論ですよね。

また、不動産価格の変動を実質購買力で調整して、過去データからトレンドラインと、現時点での価格にどれくらいギャップがあるのかを解明。

さらに、サブプライムローンの仕組み、内容から、住宅価格の変動やローンの返済率の低下がどの程度あればローン証券の価値が無くなるか、というラインまで見極めていました。

こういった調査結果から、不動産の専門家達の発言を決して鵜呑みにせず、多数派の見解に反して独自の投資判断をすることができたと言えます。

(2)CDSという投資手段の選択
住宅バブルと判断した次に問題となるのが、住宅は株式や債券と違い空売りができない為に、「住宅の場合、価格の暴落に賭ける直接的な手段がない」ということです。
さらに、空売りの代替手段となるS&P500などのプットオプションは、すでに暴落を警戒した投資家の買いによって値段が上がってしまっていたようです。

そこで着目したのが債務に対する保険の購入にあたるCDSです。
このCDSの最大のメリットは、

株や債券の空売りと違い、CDSには何が起きても年間保証料以上の損失はない。

ために、利益と損失に大きな非対称性があるということです。これはオプションと同様の性質ですね。

ただし、一般的にCDSは投資家に避けられる傾向がある商品です。

熟練の投資家でさえCDS購入を拒んだのは、CDSが"ネガティブキャリー"の典型だからだ。
これは投資家が、将来莫大な富が得られることを期待して、ある程度のコストの支払いを約束する取引のことだ。

先に支払ったコストの分だけ投資成績は悪化することになるので、ファンドの顧客には批判(場合によっては解約)され、会社からの評価も下がることになる為です。

また流動性に問題がありいつでも売買できるとは限らない、値段も場合によっては1週間更新されないこともある、などとCDSは扱いが難しいという問題もあります。

しかし、2005年の夏にサブプライムローンを保護するCDSが登場すると、ポールソンはファンドの資金を集めるのに苦戦しながらも、購入に踏み切っています。

私が注目したのは以上の2点の要素です。
共通するのは、ポールソンは多数派の投資家とは逆の行動をとっている、つまり逆張りであることですね。

バブル崩壊に巻き込まれない(あるいはそこで利益を出す)ためには、逆張りをすることになりますが、そこで成功できるだけの独自の見識を持ちえるか、という点が焦点になると思います。バブルを認識していてもタイミングの問題で、大損失を出してしまった例は多いので。

バブルをどう見抜き、その崩壊にどう対処するか、という点でヘッジファンドのマネージャーであるポールソンの戦略そのものを流用することはできないのですが(そもそもCDSは個人向けには販売されていない)、彼の考え方や着眼点については、個人投資家にも参考になる部分は大きいと思いました。
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| 投資、金融 | 11:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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