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[読書記録] キュレーションの時代

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
(2011/02/09)
佐々木 俊尚

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ジャーナリストの著者が、広告と購買行動の変遷とその背景にある社会の変化を、キュレーションをキーワードに読み解いた一冊です。

キュレーションとは、

情報のノイズの海からあるコンテキストに沿って情報を拾い上げ、クチコミのようにしてソーシャルメディア上で流通させるような行い

を指しています。


キュレーションに脚光の当たるようになった背景の一つが、広告と消費のスタイルの変化。
広告でこれまで有効であったマスの概念が機能しなくなり、情報を共有する圏域がずっと小規模に、かつ国境にとらわれなくなっていることです。

同時に購買行動が、かつては商品の「社会的記号(ステータス)」を消費するものだったのに対して、現在では企業と消費者のあいだに信頼関係が形成され、「承認と接続」によってものが消費されるようになっている、という指摘がされています。

音楽を例に出すと、90年台にあったCDのミリオンセールス連発が今では見られなくなった、といった変化がそれにあたるといえます。

当初は「つながり」と「情報」がバラバラに別のサービスとして存在していたのが、ソーシャルメディアの進化にともなって徐々にこれが大統合されつつある。その背景には、消費や情報の流通の向こう側に人と人の接続と承認があるという消費社会の変容という背景放射があるのは間違いないのです。

つまりは、広告と消費において「大きな物語の解体」が起きたということですね。
かつて国民全体で広く共有されていた画一的な価値観が、小さなグループ内での個別の価値観へとって変わっていく多極化が、広告と消費でも見られると。
この変化によって、コンテンツを作る側だけでなく、それを発見して紹介する「キュレーター」が大きな価値を持つようになった、というわけです。

そしてこれらの変化にSNSも大きな役割を果たしているわけですが、そこでよく問題になるのが、大量の情報が発信されるなかで情報の真贋を見極めることができるか、ということです。

私たちは情報そのものの真贋をみきわめることはほとんど不可能だけれども、その情報を流している人の信頼度はある程度おしはかることができるようになってきているのです。

この著者の回答はなるほど、と思いました。「どんな内容か」だけでなく、「誰が発信したのか」の側も注目すべきだということ、つまりキュレーターはある意味でブランド価値を持つということですね。

そして、今やグローバルなプラットフォームと言えるSNSなどによってますます「フラット化」が進むわけです。
ここでグローバリゼーションに対して、個々の文化の伝統が廃れ、画一化されてしまう、といった問題提起がされることがままあります。
これに対する著者の考え方が興味深いものでした。

グローバルプラットフォームの上で情報が流れるということは、多様性がそこに内包され、自立・共存・発展するローカル文化の集合体をうみだしていくことになるということなのです。

<グローバリゼーション=一回性を否定したファストフード的文化>
という考え方はあまりにもステレオタイプに過ぎますし、グローバリゼーションがインターネット上に生み出してきている新しいシステムにあまりにも無理解と言わざるを得ません。

これを読んで思ったのが、地産地消やスローフードといった概念は、一見、反グローバリゼーションと思われがちですが、実はポスト・グローバリゼーションではないかと、いうことです。
物質的な豊かさがある程度のラインに達した先進国の社会において、画一的な価値観(→欧米風の生活様式やファストフード)から離れて、個別の多様化された価値観(→地産地消やスローフード)を求める、という変化の一つだと考えられるな、と。

以上のように、本書は今起きている変化をちょうど捉えていて、話題の多岐に渡るので面白く読めました。
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| 経済、社会 | 22:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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