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[読書記録] ザ・クオンツ

ザ・クオンツ  世界経済を破壊した天才たちザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち
(2010/08/28)
スコット・パタースン

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クオンツは金融工学のエキスパート達のことです。

クオンツは、頭がおかしくなりそうな数式やスーパーコンピュータを駆使して、何十億ドルもの金をあっという間に稼ぎ出す人種だった。


本書では、このクオンツの登場からリーマンショック後までの金融市場と金融理論の変遷を、成功したヘッジファンド(PDT、シタデル、AQRなど)のマネージャーたちに焦点を当てて描いています。


クオンツ達はユージン・ファーマの効率的市場仮説をベースに、高度な数学を用いて市場の動きをモデル化し、金融市場の「ザ・トゥルース」を解明しようとします。

「ザ・トゥルース」とは、市場がどのような動きをするのかという普遍的な謎を解明することであり、数学を通じてしか解明できないものだった。


この数理モデルは、モデルがマーケットそのものだと思われる程に一般的になっていきます。ブラックマンデーやLTCM破綻が起きたものの、クオンツたちはウォール街で大きな力を持つようになっていきます。
しかし2007年以降、サブプライムローン問題が金融危機にまで発展し、成功していたヘッジファンドも莫大な損失を出してしまいます。
この金融危機は、金融規制の緩和を支持していた元FRB議長のグリーンスパンが、金融市場の効率性(自己修復能力)というモデルに欠陥を見つけたという趣旨の発言をするなど、一つの時代の終わりを告げるものだったと言えます。

金融という雑然とした世界には、唯一無二の真実というものはない。パニック、熱狂、そして混乱に陥った群集心理は、合理的な予測などくつがえしてしまう。マーケットは予測可能で合理的だという原則に基づいて設計されたモデルは、破綻する運命にある。そのモデルに何千億ドルもの高レバレッジがかかっているとあれば、大崩壊につながることは間違いない。


投資家としては、上記のことは常に肝に銘じておくべきことと言えます。
インデックス投資の手法も、資産クラスの相関やボラティリティといったパラメータを使用したモデルを元に投資を行なっている点は忘れてはなりません。理論は絶対ではないのです。

なお、効率的市場仮説などの投資理論についての話題も、メインではないのですが所々で取り上げられます。
特にマンデルブローの発見したファットテールの話(→価格変動は正規分布ではない)やタレブによるクオンツのモデルへの批判は、投資家なら知っておきたいものです。
また、従来の金融理論の欠陥が判明した現在では、ダニエル・カーネマンの行動経済学や、アンドリュー・ローの適応的市場仮説(AMH)などが新たに生まれていることも紹介されています。

この他、本書ではクオンツがどういった人たちなのか、が様々なエピソードを通して描かれています。
例えば、クオンツは数学のエキスパートであるだけでなく、ギャンブル好きな人が多いようで、カジノやポーカーの話題が度々出てきます。
なかにはエド・ソープの「ディーラーをやっつけろ!」という本を読んで、その理論を元に実際にカジノで稼いだ(!)というエピソードを持つ人も。

以上のように、クオンツを主役に金融市場を描いた本書は、投資家ならきっと興味深く読める一冊だと思います。

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