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[読書記録] 不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する

不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)
(2011/02/22)
ウォルター・ブロック

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本書は、タイトルにあるように一般的に不道徳とされている職業や物事について、それらを擁護するという一冊です。

①「不道徳な人」は暴力をともなう悪事をはたらいているわけではない。
②実質的にすべてのケースにおいて、「不道徳な人」は社会に利益をもたらしている。
③もし「不道徳な人」の行為を禁じるならば、わたしたち自身が損失を被ってしまう。


というのが著者の主張の軸で、麻薬密売人、恐喝者、ダフ屋、闇金融などが果たしている役割を経済学の視点から解説し擁護する、というかなり挑発的な内容となっています。

しかし、ハイエクの書いた序文に「あなたはもしかしたら、本書を劇薬だと嫌うかもしれない。だが残念なことに、この劇薬はじつによく効くのだ。」とあるように、本書は様々な例を通して、自由市場が経済で果たす役割の大きさを理解し、経済について学ぶことができる一冊でもあるのです。


例えば、「環境を保護しない人たち」では、資源の欠乏に対して、自由市場では価格メカニズムを通して他の資源への代替が行なわれ、結果的に調整が行なわれることが説明されています。

また、「最低賃金法を遵守しない経営者」では、最低賃金法は雇用を安定させるどころか失業を促進させてしまうものであることが明らかにされています。

ただし、本書では「こうした行為が道徳的だとか適切だとか善行だとか主張しているわけでもない」のです。

この「まえがき」においてわたしがいちばん強調したいこと―中略―は、
人をいきなり殴りつけることと、暴力的な権利の侵害をともなわない行為(それはときにわたしたちをものすごく不愉快にさせるかもしれない)には決定的なちがいがあるということである。


あくまで道徳観念(つまりは価値観)に対して中立のスタンスをとっているというわけです。
(価値観に対する中立は、自由主義であるならばリバタリアニズム、リベラルに関わらず当然のことです。)

なお、翻訳は金融やマネーに関する本の著者として有名な橘玲氏が行なっています。かなりの意訳により、話題が現在の日本の話に置き換えられていて、身近な分だけ分かりやすいものになっています。

また、翻訳者による前書きとしてリバタリアニズムの解説(なんと50ページ近い量!)がついている点も特徴です。
これは著者が「この本のエンジンにあたるものはリバタリアニズム(自由原理主義)である。」と書いている通り、本書を理解するためにリバタリアニズムに対してある程度の知識が必要となるためと思われます。

以上のように、経済とリバタリアニズムについて学ぶことのできる、効果の十分な劇薬といった一冊でした。
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| 経済、社会 | 21:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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