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[読書記録] 科学哲学の冒険

科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)
(2005/01)
戸田山 和久

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対話形式で書かれた科学哲学の入門書です。

本書では全体として、こうした素朴で常識的な考え方を哲学的に擁護することを通じて、科学哲学の様々な概念や、最新の論点について知っていただこうというねらいをもっている。


科学の目的とは何か、科学の方法は正しいと言えるのか、科学が世界のありさまを徐々に明らかにしている(ように見える)のはなぜか、といったテーマについて、「科学的実在論」を擁護する立場から論じられています。


科学的実在論とは、「独立性テーゼ」と「知識テーゼ」の両方を主張する立場である。独立性テーゼとは、人間の認識活動とは独立に世界の存在と秩序を認める考え方であり、知識テーゼとは、人間が科学によってその秩序について知りうることをみとめる考え方である。


以上のように、科学的実在論は、ごく一般的な科学についての見方と言えるものです。
そして反対する立場として、以下の二つがあります。
・反実在論  :(知識テーゼを否定する)
・社会構成主義:(独立性テーゼを否定する)

そして、科学的実在論を擁護するにあたって以下二つの課題があります。
①科学理論とは何かの問い直し
②理論選択の合理的基準のメタ正当化

特に個人的に注目したのが、②の「科学的な方法は正しいと言えるのか」という問いです。なぜなら、この問いに答える為には、「ヒュームの呪い(帰納についての懐疑論)」を考える必要があるからです。
この帰納についての懐疑論はポパーの反証主義につながるもので、ナシーム・タレブの「ブラック・スワン」でも取り上げられている問題でもあるわけです。

帰納を使って科学をやってよさそうな究極の理由は、宇宙のわれわれがいる場所が、帰納が役に立つような場所だからだ。

目立つ現象の中に、斉一的で周期的であるようなものがかなり存在する、そんな場所だから「帰納するようにできている」われわれがいる。


帰納について妥当化はできないが援護はできる、という結論になっています。
実際、日常生活でも仕事でも、大抵の場合は帰納に基づく考え方でうまくいくわけです。帰納という思考法は、人間にとって「(進化論的優位を持つ)自生的秩序」の一つなのかもしれません。
逆に言えば、帰納は人間の思考においてベースの一つとも言うべきものだからこそ、「ブラックスワン」がそれだけ大きな影響を及ぼすことになるとも言えます。

このように、入門書とは銘打っていますが、深い部分まで突っ込んだ議論が交わされていて、なかなか歯ごたえのある一冊でした。
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| 自然科学、技術 | 22:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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