RAVEN'S FLIGHT

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[読書記録] 半島を出よ

ここ最近、村上龍の小説を読んでいます。
経済について学ぶようになってから、以前とはまた別の面白さを発見。

半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)
(2007/08)
村上 龍

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半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)
(2007/08)
村上 龍

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北朝鮮の特殊部隊が九州の福岡に上陸、占領して独立宣言を行なう、というのが
大枠でのストーリー。
読んでいて、もし実際に事件が起きたとしたら、確かにこんなことになりそうだ
と感じさせるリアリティある描写が印象的でした。


例えば、作品中では上陸した特殊部隊員が福岡ドームを占拠する、という緊急事態が
発生します。しかしこの緊急事態に対し、日本政府は優先順位を決めることができず、
場当たり的な対応に終始し、事態が更に悪化していくといったことが描かれています。
これはあくまでフィクションの話ですが、昨年の尖閣諸島での中国漁船衝突事件のことを
考えると空恐ろしいものを感じました。

また、作品中の日本は経済的に衰退し、国際社会で立場を失っているのですが、
これも現実でも、中国の台頭もあって近い状況になりつつあるのではないかという
怖さがありました。

国だけでなく個人レベルでも危機感の欠けた、言ってみれば平和ボケした様子の描写が
出てくるのですが(例えば、占領された地域に家族や知人のいる人に、今どんな
気持ちですか、などと平気で訊くTVリポーター等)、これも実際にありそうです。
根本的には、現実感覚や想像力が欠如しているのだと思うのですが。

その一方で、特殊部隊員たちは厳しい訓練を経たストイックなエリート階級の軍人
として描かれ、思わずそちらに感情移入しそうになったのですが、軍に連行されて
拷問された人が出てきたときに恐怖で冷や水をかけられる思いでした。

また、猟奇犯罪や爆破テロといった犯罪を起こした少年たちが出てくるのですが、
彼らの心境の描写がまさに今の日本の閉塞感の象徴のように思えました。
犯罪行為に及ぶかは別としても、同じような閉塞感や息苦しさ、現実感の無さなどを
感じている人は多いと思うので。

そんな彼らが、終盤に危機状況の下で、不安や恐怖があってもそれを自覚して
どう対応するかを自分で決められれば立ち向かうことができる、と気付くシーンが
あり、強烈なカタルシスがあって本作の中で一番印象的でした。
その章のタイトルが「美しい時間」なのがまた、いいなと。

現実の日本でも、そうやって現実と向き合っていくことが必要なのではないか、と
思います。
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