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[読書記録] 盲目の時計職人

盲目の時計職人盲目の時計職人
(2004/03/24)
リチャード・ドーキンス

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経済や金融において、産業のイノベーションが自然淘汰と進化に例えられるなど、
進化論に触発された考え方を目にする機会が多くあります。
例えば、2010年には日本について「ガラパゴス化」といった表現がよく使用されました。
また、金融市場では生物進化の理論の応用から、「適応的市場仮説
(Adoptive Market Hypothesis)」という理論が生まれたことを
「アルファを求める男たち」で目にしました。
そういったわけで、進化論についての興味から本書を読んでみました。


ダーウィン主義の世界観はたまたま真実であるだけではなく、知られているかぎり、われわれの存在の謎をおおむね解き明かすはずの唯一の理論なのだということを、読者に説得するつもりである。

ダーウィン主義とは、要するに、そこに遺伝的変異があって、しかもでたらめではない繁殖のもたらす結果が累積される時間がありさえすれば、途方もない結果が生まれる、という考えに過ぎない。しかし、この単純さは見かけのものだと信ずべき根拠がたっぷりある。



一見、単純なものにも思えるダーウィンの進化論ですが、そうではないことが本書で
説明されています。
また、本書では、生物は何らかの知的存在がデザインしたとする、ID仮説
(インテリジェントデザイン仮説)について、真っ向から否定しています。

自然淘汰は盲目の時計職人である。盲目であるというのは、それが見通しをもたず、結果についてのもくろみをもたず、めざす目的がないからだ。


つまり生物は何かの目的に合わせてデザインされているのではないということです。

現実には淘汰で残る基準は常に短期的に、単純に生き残るか、あるいはもっと一般的に、繁殖に成功するかである。長い長い時が経ってからみると、はるか遠くの目的に向かう進歩のようなものが達成されているかに見えたとしても、これはつねに数多くの世代が短期的な淘汰を経たことによって起こった付随的な結果なのだ。

小さな変化が数多くの段階にわたって蓄積されるという考えは、とてつもなく強力な考えであり、それ以外には説明できないような莫大な範囲のことがらを説明可能にする。


小さな変化の積み重ねこそが、自然淘汰の本質であるということです。
確率論・統計的の視点から、ランダムに発生する出来事を積み重ねていくことで、
ある結果につながる、ということは理解できます。

いくつかの方法によって、突然変異と自然淘汰は力を合わせて、長い地質学的時間のうちに取り除きよりも付け加えとかかわりの深い複雑なものをつくりあげることができる。


自然淘汰は何かを付け加えることもできる、ということを「共適応した遺伝子型
(遺伝子は、体の中のその他の遺伝子と協同する能力をめぐって淘汰される)」、
「軍拡競争(一方の進化がもう一方にも影響を及ぼしそれが再帰的に影響しあう)」
という2つの概念によって説明しています。

遺伝子と体の一部とのあいだには単純な一対一の対応などというものはない。
ちょうど料理法のなかの言葉が、寄り合わさって一つの過程を遂行するための一組の指令となるのと同じように、遺伝子は寄り合わさって一つの過程を遂行するための一組の指令とみなしうる。


この「単一遺伝子の効果を研究できるが、一対一の対応はない。」ということと、
「獲得形質は遺伝しない」ということは、誤解されていることが多いように思われます。

そして、進化論以外の進化に関する理論を一つ一つ取り上げ検証したうえで、

累積的自然淘汰による進化論こそが、われわれが知るかぎり、組織化された複雑さの存在を原理的に説明することのできる唯一の理論なのだ。

ゆっくりした漸進的な累積淘汰こそが、生命のもつ複雑なデザインの存在を説明するものであり、しかもいままでに提案されてきたうちで唯一の運用可能な説明である。


と結んでいます。

専門的な内容を扱った本書ですが、説明は分かりやすく、生物学は素人の私でも
ついていけました。面白かったので進化論を学んでみたい人にお勧めです。
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| 自然科学、技術 | 15:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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